2013年10月17日木曜日

700年は「異常」なくらい長い期間だなあ。その1

Cadiz by matoses
Cadiz, a photo by matoses on Flickr.
アルヘシラスのフェリー乗り場に到着すると、対岸には、アフリカ大陸が見える。ここに来ると、ある人は、ヨーロッパを離れてこれから北アフリカモロッコのアラブ・ベルベル世界に足を踏み入れるんだということで少し、緊張するかもしれないし、ある人は、故郷にかえるような懐かしさでいっぱいになるかもしれない。小生は完全に後者である。

スペインは、かつて、約700年間もイスラムの支配下にあった。それは、711年から1492年グラナダにあった最後のイスラム王朝が再征服され、キリスト教徒によるレコンキスタが完成するまでの約700年だが、レコンキスタから今年2013年までで、約500年位しか経っていないのを考えると、700年間というのは本当に「異常」ともいえるほど長い期間なのである。

この間をスペインのアラブ化というかベルベル化というかは別として、イスラム支配下に置かれていたことは確かである。キリスト教徒ユダヤ教徒ともにイスラム側から、「啓典の民」として一応庇護されていたとしても、人頭税、土地税という税金を負わされていたし、日々の生活でもかなりの屈辱を甘受せざるを得ない状況であっただろう。

モサラベ(ムスタアリブمستعرب、アラブ化したもの)は、言語文化的にアラブ化したものの、服装で区別され、ムスリムが通れば立ち上がらなくてはならない、家はムスリムの家より低くなければならない、教会の鐘は小さくならさなければならない等、様々に被征服民としての対応を強いられた。

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